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木の質問・疑問に答えるQ&A
★葉枯らし乾燥させればしっかり乾燥するの?
よく「葉枯らし乾燥させればしっかり乾燥する?」と言われる方々がいますが、これはあくまで乾燥の前処理であって、
葉枯らし乾燥したからといって、しっかり乾燥するというわけではありません。
木造住宅において木材乾燥は最も重要な要素の一つです。
昔は5 年、10 年といった単位で乾燥させていましたが、今では乾燥にかかる時間やコストを嫌い、わずか半年程度の天然乾燥で生乾きのまま出荷され、使用されています。
葉枯らし乾燥は、山で伐採した樹木を枝葉を付けたまま、林内に2〜3 ヶ月間放置し、生材丸太に含まれている水分を葉から蒸散させる方法をいい、
丸太の重量を減らし、集材作業や運搬を容易にし、山から製材工場まで運ぶ運搬コストを軽減するという目的で昔から行われてきました。
しかし、残念ながら『樹齢70 年、直径25〜35cm の杉、ヒノキの丸太における夏季40〜50 日間の葉枯らし乾燥による含水率低下は
樹皮に近い外側の白っぽい色をしている部分で50%、中心付近では75%程度にしかならず、その後はほとんど変化しない。
また、秋季・冬季における含水率低下は夏季に比べてさらに遅れ、約3 ヶ月間の葉枯らし乾燥でも100%(木材そのものの重量と
同量の水分を含んでいるという意味)以下にはならないために、それ以上行っても効果は期待できない
という結果が[昭和61 年技術開発試験成績報告書]によって公表されています。
住宅建築に適した含水率(使用場所や気密性等によって違いはあります)にするには、たとえば、
一般に使われている柱を採る丸太の乾燥なら少なくとも2〜3 年程度は必要であり、年単位で林内に放置しておくと、虫害にあったり、
カビや腐朽が進み、建築材料として使用できない部分ができてしまい、多くの無駄を出してしまいます。
また、この葉枯らし乾燥は心材【丸太の中心部に近い赤っぽい色をしている部分で別名「赤身(あかみ)」
と呼ばれている】の発色(「渋抜き」という地方もあります)を促すという目的で行っている業者もありますが、
数ヶ月程度では心材の含水率を低下させることは不可能で、発色まで期待しようとするなら、年単位の葉枯らし乾燥が必要であるとも報告されています。
つまり、葉枯らし乾燥はその名の通り、葉が枯れるまでの期間行われる運搬コスト削減を目的としたものであり、
木材自体に何か劇的な効果が期待できるものではありませんから、あくまで主乾燥の前処理と考えた方がよいでしょう。
信用樹.COM から抜粋 (株式会社 信用樹 代表 黒岩 典生氏)
木の質問・疑問に答えるQ&A
●家に使われている木も生きているの?
●樹齢100 年の木は100 年使えるの?
●含水率150%なんてあり得ないの?
●木材中には異なる種類の水分が存在するの?
●木は本当に呼吸しているの?
●木は乾燥させなくてもいずれ乾くから大丈夫なの?
●乾燥していない木材を使うとどうなるの?
●乾燥具合は水分計で測れば正確にわかるの?
●天然乾燥材は人工乾燥材より優れているの?
●天然(自然)乾燥は木材に優しいの?
●天然乾燥も人工乾燥も乾燥すればどちらも同じなの?
●KD(人工乾燥)材を使えば間違いないの?
●葉枯らし乾燥させればしっかり乾燥するの?
●新月伐採は本当に効果があるの?
●土台にはヒバや桧を使えば安心なの?
●土台は薬剤処理すれば大丈夫なの?
●年輪幅は強度に関係しないの?
●節は強度には影響を及ぼさないの?
●背割りや割れは強度低下につながるの?
●木材の密度は強度指標にはならないの?
●有名産地材なら丈夫で長持ちなの?
●集成材の強度は無垢材の1.5 倍なの?
●集成材でも200 年住宅が建てられるの?
●無垢材は生き物だから割れたり、反ったりするの?
●木材には調湿機能があるので結露しないの?
岡山・倉敷の多くの人に知って欲しい。
本当に価値のある家とは丈夫で、長持ちで、省エネで手に入れやすい価格であるということ。
それが最終的に「エコ」であるということ。それが「郷-SATO-の家」であるということ。
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